以前に Drupal 7 日本語化の方法 と言う記事を書いたのですが、この方法だと手順も多く回りくどいのでもっと簡単かつ早くインストールできる Localized Drupal Distribution という物がありますので今回はそれをご紹介したいと思います。

今回は他の CMS を使ったことはあるけど Drupal はほぼ初めてと言う方を対象とした記事です。

Localized Drupal Distribution とは

Localized Drupal Distribution は Drupal の数あるディストリビューション( Drupal をベースとしてソフトウェアを追加してまとめたもの)の一つで、日本語化に必要なモジュールの Localization updateLocalization client モジュールが最初から同梱されていて、インストール画面も日本語化されることが特徴です。

このディストリビューションは Drupal の創始者である Dries さんが CEO の Acquia と言う会社がスポンサーとなってメンテナンスしているので、リリーススピードも早く今後も安心して利用できると言えます。

ダウンロード

こちらの Localization Drupal Distribution のページからダウンロードしてください。 Version が 7.x-1.7 となっている行の zip を選んでください。バージョンはその時の最新のバージョンに適宜読み替えてください

ダウンロードページの解説

インストールの準備

ダウンロードしたファイルを解凍してください。 l10n_install-7.x-1.7 と言うような名前のフォルダが作成されますね。この中には Drupal の本体と日本語化に必要なモジュールが全て入っています。

次にデータベースへの接続情報などを書き込むための settings.php と言うファイルを用意する必要があります。解凍したフォルダの中に sites/default というサブフォルダがあるので開いてください。 default.settings.php と言うファイルがあるはずですので、それを同じフォルダ内に settings.php と言う名前でコピーしてください。

settings.phpの準備

l10n_install-7.x-1.7 のフォルダの中身をお使いのサーバーのドキュメントルートディレクトリへコピーしてください。 Mac などの Unix 系の OS だと、圧縮ファイルに同梱されている .htaccess ファイルが隠しファイルになっていてファインダーなどから見えずにコピーし忘れることが多々あるので気をつけましょう。これを忘れるとクリーン URL などの機能が使えなくなることがあります。

パーミッションの設定

サーバーへファイルを転送したら、ウェブサーバーがファイルの読み書きができるようにサーバー側のディレクトリとファイルのパーミッションを以下のように変更してください。

  • sites/default (777)
  • sites/default/settings.php (666)

これでインストールの下ごしらえは完了です!

インストール

ブラウザでインストールしたサイトへアクセスしてみましょう。以下のようなインストール画面が見えるはずです。見えない場合はコピー先のディレクトリが間違っている可能性があるので設定や見なおしてください。

インストレーションプロフィールの選択画面

「英語やんけ!」と思った方!すみません。まだ英語です。次のステップまで英語なので少しだけ我慢して下さい。

Localized Drupal と言う通常の Drupal では表示されないインストールプロフィール(ディストリビューション)が選べるようになっているはずです。それを選択し、 Save and Continue ボタンを押してください。

言語が羅列されたページになります。この中から Japanese (日本語) を選択してください。言語が多すぎて探しにくいとは思いますがページの中央にあります。最後にページの一番下にある Save and continue ボタンを押してください。

言語の選択画面

無事に日本語のデータベースの設定画面が表示されたらあとは画面の指示に従ってインストール作業を進めるだけです。

もし、以下のようなエラーが画面が表示されたらパーミッションの設定や settings.php の生成が間違っている可能性が高いの今までの工程を見直してみましょう。

設定のエラー画面

初期の頃のモジュールを追加しておこなう日本語化の方法に慣れてしまっていたので、最近までこんな便利なディストリビューションがあることを知りませんでした。常に新しいものが生まれ続けている世界なので、普段不便なものを慣例化せず改めて見直すということは重要ですね。

余談ですが Drupal 8 では標準でインストール画面から日本語が選べるようになり便利になりました。しかし Drupal 8 本体の翻訳自体は有志の皆様のお陰で終わっているのですが、翻訳の承認待ちのものがあと3,400件ほど残っている状態で、まだ完全に日本語化されていません。

先日 Drupal 翻訳スプリントというイベントを開催した際に Drupal Japan Group の方から日本語翻訳の承認権限をいただきましたので、時間を見つけてはポチポチ承認を進めていっているのですが、なかなか終わりが見えません。。 Drupal 8 のクリティカルバグが残り5個くらいになったので、年内にはリリースされそうな勢いですのでそれまでには何とか承認を終わらせたいところです。


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