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STUDIO UMI
WORKS事例紹介

富士急バス株式会社

高速バス満空情報デジタルサイネージシステム

プロジェクト概要

年間およそ40万人が乗降する富士山駅、河口湖駅、富士急ハイランド駅の各バス駅に設置されたデジタルサイネージを通じて、リアルタイムのバス満空情報(満席 / 空席状況の情報)を提供するシステムを構築しました。複数の予約システムと連携し、20路線以上・1日240便の満空情報を統合管理・表示することで、利用者の利便性向上を実現しています。

なお、本システムはイントラネット環境内に構築されており、セキュリティ上の理由から外部インターネットから直接閲覧することはできません。

導入前の主な課題

従来のバス駅においても満空情報の表示を行っておりましたが、以下のような複数の課題を抱えていました。

  • 係員による手動更新が必要であったため、リアルタイムな情報提供が困難であったこと
  • 手動更新に伴う現場担当者の作業負担が大きくなっていたこと
  • インバウンド急増に伴うバス需要の拡大により、空席確認のため窓口に行列が発生し、現場の業務負担が増加していたこと

これらの「情報更新の属人化」「運用負荷の増大」「窓口業務の逼迫」といった課題を解消し、運用負担を軽減するとともに、利用者が安心してスムーズにバスを利用できる環境を整備することを目的として、本プロジェクトが開始されました。

実施した解決策

複数予約システムとの統合連携

本プロジェクトでは、3つの異なるバス予約システムからリアルタイムに満空情報を取得し、統合管理する仕組みを実装しました。各予約システムは独自のAPIとデータ形式を持っていますが、これらを共通の設計で統一することで、一元的なデータ管理を実現しています。

この統合連携の仕組みにより、将来的に新しい予約システムが追加される場合でも、既存のシステムに影響を与えることなく容易に拡張できる構造となっています。また、各予約システムとの通信においては、堅牢なエラーハンドリングを実装し、万が一API接続に問題が発生した場合でも、運用担当者へメール通知を行うことで迅速な対応を可能にしています。

リアルタイム満空情報の自動更新とパフォーマンス最適化

満空情報を1分に1度という高頻度で自動取得し、データベースに格納する仕組みを実装しました。特筆すべき点として、3つの異なる予約システムから並列でデータを取得することで、更新処理の高速化を実現しています。各システムへのAPI呼び出しを同時に実行することで、処理時間を大幅に短縮し、タイムリーな情報提供を可能にしました。

このような更新頻度の高いシステムでは、サーバーへの負荷が課題となりますが、DrupalのCache APIを活用し、適切なキャッシュタグを設定することで、パフォーマンスを大幅に改善しています。変更があったデータのみを効率的に更新する仕組みにより、常に最新の満空情報を利用者に提供しながらも、サーバーリソースの消費を最小限に抑えることに成功しました。

満空状況については、予約システムから取得したデータを基に自動的に調整する機能を実装しつつ、必要に応じて管理画面から手動で上書きすることも可能にしました。これにより、臨時的な運行状況の変更にも柔軟に対応できる仕組みとなっています。

サイネージ向け広告配信機能

サイネージの待機時間を有効活用するため、広告表示機能を実装しています。広告コンテンツの管理にもECKを活用し、管理画面から簡単に広告の追加・編集・スケジュール設定が行えるようになっています。

タブレット端末向け表示対応

サイネージディスプレイだけでなく、タブレット端末でも満空情報を確認できるよう、専用のレスポンシブテーマを開発しました。駅のサイネージは大型ディスプレイに特化したレイアウトで情報を表示する一方、タブレット版では持ち運び可能な端末での視認性を重視した設計としています。これにより、駅係員が手元で満空状況を確認したり、窓口での案内に活用したりすることが可能になりました。デバイスに応じた最適な表示を自動的に切り替える仕組みにより、一つのシステムで複数の利用シーンに対応しています。

ECKを活用した効率的なデータ管理とモジュラー設計

本システムでは、路線情報や満空情報の管理にECK(Entity Construction Kit)を活用することで、開発コストを大幅に削減しながら高機能なシステムを実現しました。ECKを使用することで、Drupalの標準的な管理画面やビュー機能をそのまま活用でき、カスタム開発の範囲を最小限に抑えることができました。運用担当者は使い慣れたDrupalの操作感で路線マスタや満空情報を管理でき、学習コストも低く抑えられています。

システム全体は、機能ごとに独立したカスタムモジュール18モジュールで構成されており、保守性と拡張性に優れた構造となっています。予約システム連携モジュールをはじめとする各モジュールは明確に役割分担されており、将来的な機能追加や修正が必要になった際に、該当するモジュールのみを変更すれば良く、他の機能に影響を与えるリスクを最小限に抑えることができます。

また、各モジュールは再利用可能な設計となっており、類似したプロジェクトへの展開も容易になっています。Drupal 10の最新機能を活用しながら、長期的な運用を見据えた堅牢なシステム基盤を構築しました。

プロジェクト体制

本プロジェクトは、株式会社レゾナント・システムズとの協業により実施しました。スタジオ・ウミは、Drupalを基盤としたシステム開発全般を担当し、カスタムモジュールの設計・実装からパフォーマンス最適化まで、技術面での中核を担いました。

スタジオ・ウミは15年以上の実績を誇るDrupal専門の開発会社です。豊富な知見とノウハウでDrupalサイトの開発や技術サポートなどDrupal関連サービスをワンストップでご提供します。

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