DrupalCon 初の日本開催決定!今こそ伝えたいDrupalConの魅力


こんにちは、スタジオ・ウミの森山です。 先日、次回のDrupalConが日本の奈良市で開催されることが正式に発表され、やや興奮気味のため今日は久しぶりにDrupalConについてのブログを投稿します。
これまで世界各地で開催されてきたDrupalConですが、日本国内での開催はこれが初めてです。すでにDrupal業界内では大きな話題となっており、私たちスタジオ・ウミを含め、国内外の関係者が高い関心と期待を寄せています。
Drupal業界の方はご存知の方も多いかと思いますが、「DrupalConって何?」という方にもその魅力を存分にお伝えしていきます!
世界中が注目するDrupalの祭典に参加できる大変貴重なチャンスです。Drupalに携わられている方も、そうでない方も、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
DrupalCon Nara 2025 開催概要
- イベント名:DrupalCon Nara 2025
- 会場:ホテル日航奈良
- 開催日程:2025年11月17日(月)〜19日(水)
- 主催:Drupal Association
- 公式サイト:https://events.drupal.org/nara2025
イベントの主な日程(ロードマップ)
- 3月24日:スポンサーシップ販売開始
- 3月30日:ボランティア募集開始
- 4月14日:ボランティア募集締切、セッション提案募集開始
- 5月5日:早期登録開始(先着50名限定)
- 5月26日:セッション応募締切
- 6月30日:プログラム公開
- 11月16日:DrupalCon Nara トレジャーハント/エージェンシーリーダーズディナー
- 11月17日:カンファレンス1日目/スプラッシュアワード
- 11月18日:カンファレンス2日目
- 11月19日:コントリビューションデー
※上記は 公式サイト の情報に基づいていますが、一部日程は変更の可能性があるため随時最新情報をご確認ください。
DrupalConとは?
「DrupalCon」は、Drupalコミュニティが主催する国際的な公式カンファレンスです。
世界中のDrupalユーザーが一堂に会するこのイベントは、単なる技術カンファレンスにとどまりません。
開発者、デザイナー、プロジェクトマネージャー、翻訳者、コンテンツ制作者、アクセシビリティの専門家など、さまざまな立場・分野の人々が集い、学び合い、語り合い、そして共にDrupalの未来をつくっていく──そんな特別な体験の場です。
DrupalというオープンソースCMSの進化をリアルに感じながら、グローバルな仲間とつながる貴重な機会でもあります。
Drupal.orgによる定義
Drupalの公式サイト「Drupal.org」では、DrupalConについて以下のように紹介されています。
“DrupalCon is an international educational event that brings together people who use, develop, design and support the Drupal platform. The recurring event features dozens of curated sessions and panels from some of the most influential people and contributors within the Drupal community and beyond, as well as countless opportunities for networking, contributing to Drupal itself, informal conversations, introductions and more. DrupalCon is the premiere conference to hone your Drupal skills, connect with the community, and learn about the future of web technologies happening on the Drupal platform.”
ー DrupalConは、Drupalを利用し、開発し、デザインし、支援する人々を結びつける国際的な教育イベントです。
この定期開催のイベントでは、Drupalコミュニティおよびそれを超えた分野から集まる、影響力のある人物や貢献者による数十もの厳選されたセッションやパネルディスカッションが行われます。また、Drupalへの貢献、非公式な会話、出会い、ネットワーキングなど、無数の機会が提供されます。
DrupalConは、Drupalスキルを磨き、コミュニティとつながり、Drupalプラットホーム上で進化するWebテクノロジーの未来を学ぶための最前線のカンファレンスです。
“DrupalCon is an experience filled with trainings, sessions, keynotes, and a full day dedicated to contributing in person. We also offer trainings and industry summits; multiple days of sessions, where everyone is invited to talk, learn and explore all things Drupal; and a dedicated contribution day. And that's just during the daytime! DrupalCon's community and sponsor-driven morning and evening events are scheduled throughout the week. ”
ー DrupalConは、トレーニング、セッション、キーノート、そして対面での貢献に専念する1日などが詰まった体験です。加えて、業界別サミットやトレーニング、多彩なセッションが数日にわたり開催され、すべての人がDrupalについて語り、探求し、学ぶことができます。さらに、これらは日中だけにとどまりません。DrupalConでは、コミュニティやスポンサーによる朝と夜のイベントも1週間を通して実施されます。
さらに、Drupal Associationのブログ「Why you should attend your first DrupalCon」では、初めてDrupalConに参加される方へ向けて、次のように述べられています。
“You’re guaranteed to get a much richer experience and a better understanding of Drupal’s open source ethos if you attend DrupalCon.”
ー DrupalConに参加すれば、より豊かな体験と、Drupalのオープンソースとしての精神への深い理解が得られることは間違いありません。
“We especially want you to attend if you’re new! I attended my first DrupalCon as a new user, and while it was a lot of information to absorb, it shaped my understanding of the Drupal way and made me realize first-hand the benefits of an open source project that I would come to depend on in my professional life. Don’t worry, there are conference sessions, training, and social events designed specifically for newcomers to help break the ice and get you started.”
ー 特に、Drupalが初めての方にはぜひ参加してほしいと思っています。
私が初めてDrupalConに参加したのは、Drupalの新しいユーザーとしてでした。情報量は多くて圧倒されましたが、それがDrupalの流儀を理解するきっかけとなり、今後の仕事人生で頼ることになるオープンソースプロジェクトの恩恵を、実際に肌で感じることができました。
心配はいりません。初参加の方がすぐに打ち解けられるよう、カンファレンスセッション、トレーニング、ソーシャルイベントなどが特別に用意されています。
“If you’re trying to decide if DrupalCon is for you, I think DrupalCon is especially relevant for:
- Decision-makers responsible for choosing a digital platform
- Developers and technologists learning Drupal (the training courses are particularly relevant!)
- Drupal users who aren’t active in the community, and want to pick up new skills
- Anyone who inherits a Drupal project
- Agencies who are using Drupal for the first time
- People looking to switch careers”
ー DrupalConに参加すべきかどうか迷っている方へ。私は、DrupalConは特に以下のような方々にとって有益だと思います:
- デジタルプラットホームの選定を担当する意思決定者
- Drupalを学んでいる開発者や技術者(トレーニングコースは特におすすめです!)
- コミュニティには参加していないが、新たなスキルを身につけたいDrupalユーザー
- 既存のDrupalプロジェクトを引き継ぐことになった方
- 初めてDrupalを導入するエージェンシーや制作会社
- キャリアチェンジを検討している方
DrupalConは、こうした方々にとって多くの気づきと学びをもたらしてくれる場です。
このように、DrupalConは初心者からベテランまで、すべてのDrupalユーザーが居場所を見つけ、知識と情熱を共有できるDrupalコミュニティの“心臓部”とも言える存在です。
一人で探していた答えが、DrupalConの場で一気に広がる。 そんな経験が、きっと待っています。
DrupalConの魅力
✔ Drupalの“未来”が見える
次にDrupalがどこへ向かっているのか。公式のロードマップや新バージョンの機能、エコシステムの進化を、コア開発者自身の口から聞くことができます。公式ブログやリリースノートでは得られない、コンテキストを含んだ“生の話”が聞けるのはDrupalConだけです。
✔ “実務”に直結する事例が豊富
大規模な自治体サイト、大学ポータル、グローバルメディア、非営利団体など、世界各国からリアルな導入事例が集まります。そこには華やかな成功談だけでなく、課題や失敗も含めた本音の情報があり、自社の運用改善やCMSリプレイスのヒントにも直結します。
✔ 世界中とつながるオープンな体験
DrupalConの魅力はセッションだけにとどまりません。現地では「Contribution Room」が常設されており、翻訳、モジュール開発、バグ修正、アクセシビリティ改善など、誰でもその場でコントリビューションに参加できます。実際に「初めてパッチを提出した」人が毎年誕生しています。
✔ 技術者だけでなく、PM・マーケター・広報にも価値がある
DrupalConは技術カンファレンスであると同時に、Web運営・戦略・DX推進に関わるすべての人に価値があります。情報設計、ユーザーエクスペリエンス、多言語対応、ガバナンス、アクセシビリティ、セキュリティ、パフォーマンス最適化など、実務に直結するセッションがそろいます。
参加者から伝わる熱量
過去のDrupalConに参加した方々からは、こんな熱い声が寄せられています。現地の空気感や参加者の高い熱量が伝わってきます。
“I will say this. Having been to DrupalCon myself, DrupalCon is awesome. And so is Drupal. But, if Drupal is Open Source people make commits, the real shining star are the people. BOF, meeting people, sharing experiences. That's the gold of Drupalcon. What price can you put on that?
ー 私はこう断言します。自分自身がDrupalConに参加した経験から言うと、DrupalConは最高です。そしてDrupalもまた素晴らしい。でも、Drupalがオープンソースである以上、コードに貢献する人たちがいてこそ成り立っているわけですが、本当に輝いているのは「人」なんです。BOF(Birds of a Feather)での交流、誰かと出会い、経験を共有すること。それこそがDrupalConの“金(価値)”です。 それに、いったいどんな値段をつけられるでしょうか?
出典:Why do (or don't) you attend DrupalCon?|reddit
私たちスタジオ・ウミも、過去に DrupalCon Nashville(2018)とDrupalCon Singapore(2023)に参加しました。参加メンバーの感想もご紹介しておきます。
全てがとても刺激的なイベントでした。Drupalコミュニティの熱意に触れ、技術的な知見だけでなく普段では感じることのない開発者の「熱」を実感する機会となりました。
オープンで活発な交流のあり方は、日本の文化ではあまり見られないものであり、大いに刺激を受けました。
各セッションはフロントエンド開発やビジネスなど14の分野に分かれており、対象レベルも初心者から上級者まで分かれているので、自分の興味とレベルに応じて好きなセッションを選択することができます。
あるセッションでは、発表が終わったとたんに数名がマイクまで歩き出し、しまいには会場を巻き込んだ討論会となっていました。日本ではこういった場面に出くわすことは少ないので、とても刺激的に感じました。
途中飛行機が飛ばないなどのアクシデントもありましたが、それでも行ってよかったと思えるくらい、とても刺激的なイベントでした。
詳しくは下記のブログでお読みいただけます。ご興味がある方はぜひご覧ください。
私自身も現地でDrupalConに参加しましたが、強く印象に残っているのは、これは単なるイベントではなく、Drupalに関わるすべての人の知識・熱量・貢献が集まり、言語や国境を越えて交差する“オープンソースのリアル”が体現されているということです。 今回の奈良開催では、あの熱気と一体感が、日本国内で、より多くの人に届くことを心から楽しみにしています。
最後に
ー DrupalConは“未来への投資”になる ー
DrupalConは、CMSの勉強会やカンファレンスを超えた体験です。 それは「知識を得る場」であり、「貢献を始める場」であり、「仲間と出会う場」でもあります。 オープンソースに関心がある方、Drupalに関わる予定の方、今まさに運用している方、この機会に、ぜひDrupalConの“魅力”を体験してみてください。
ちなみに、今回のDrupalCon Nara、実は開催地・奈良市からも公式に注目されています。奈良市観光経済部の公式アカウントや奈良市長の中川げん氏もX(旧Twitter)上で開催決定を発信されており、自治体も巻き込んだ盛り上がりを見せています。
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— 奈良市産業政策課 (@naracity_market) March 28, 2025
日本初!DrupalCon Asia 2025の開催地が奈良市に決定!✨
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世界が注目する「Drupal(コンテンツ管理システム)」の祭典が奈良市で開催されます!DrupalConアトランタにて正式に発表され、奈良市は伝統とテクノロジーが交差する都市として紹介されました!https://t.co/zltUdFa99q#DrupalCon
https://t.co/uaUfLxxp2Z
奈良市にオフィス誘致したジェネロ株式会社はセキュアなオープンCMS「Drupal(ドゥルーパル)」をベースに事業展開するITスタートアップです。この度、奈良市と連携してアジア地域のコングレス誘致に成功しました✨ https://t.co/gFdbmjhZBL
— 仲川げん(奈良市長) (@nakagawagen) March 28, 2025
地域とテクノロジーが交差するこうした瞬間も、オープンソースならではの魅力と言えるかもしれません。単なる技術イベントにとどまらない広がりをあらためて感じ、ますますDrupalCon Naraが楽しみになりました。
この記事が少しでもDrupalConの魅力を伝えるきっかけになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。会場で皆さんとお会いできることを楽しみにしています!