アイキャッチ画像: デスクの上でパソコンを使用している

こんにちは。ディレクターの菊池です。

今年も Drupal Advent Calendar 2023 へ寄稿します。Drupal に関する記事であれば大歓迎とのことですので、是非お気軽に参加ください。

さて、Drupal core release schedule に記載の通り、Drupal 10 のマイナーアップデートバージョン "10.2.0" が 2023/12/11 にリリース予定です。

この記事では非エンジニア視点で気になった変更点をピックアップして紹介します。

変更点の確認方法

まず Drupal コア変更点の確認方法ですが、これは Change records for Drupal core に随時記録されています。今回はこの Introduced in version を 10.2.0 に絞り込み、気になった変更点をピックアップし紹介していきます。

対象となる Change records 全件は下記から参照ください。
https://www.drupal.org/list-changes/drupal/published?version=10.2.0

検証環境

執筆時点での最新版である 11/21 リリース 10.2.0-beta1 にて検証しています。

それでは以下より、具体的な変更点の紹介です。

フィールドの型選択が視覚的な UI に変更

https://www.drupal.org/node/3364263

最も分かりやすい変更点として、フィールド追加時の UI が大幅に刷新されました。

image.png (285.1 kB)

まず型のタイプを選択して、そこから更にオプションを選択する形式となっています。 image.png (441.7 kB)

フィールド型は影響範囲が広く、データ投入後は変更が難しいなど非常に重要な要素です。 視覚的なアイコンと判断基準を明確にする説明、さらに段階的選択という方式を採用することで、型の選択誤りを減らす良い UI 変更だと思います。

最大限活用するために、説明文の日本語翻訳は優先的に対応していきたいところです。

フィールド設定保存タイミングが変更

https://www.drupal.org/node/3383986

上記に関連した変更ですが、フィールドの設定が保存されるタイミングが変更されました。

これまではフィールド型を選択して保存した時点で構成として保存されていました。10.2 以降はその後のフィールド設定(テキスト長やヘルプテキスト等)を保存した時点ではじめて構成として保存されるようになります。いくつかの型をあれこれ試しながら作るケースもあるため、不要な設定を削除する手間が減るのは地味に嬉しいです。

Media にリビジョン UI が追加

https://www.drupal.org/node/3366630

Media にリビジョン UI が追加されました。実はこれまで無く、Media Revision UI モジュールが必要でした。10.2 以降ではこのモジュールは不要で、コア標準でリビジョン UI が提供されます。

10.1.0 ではファイル削除機能がコアで提供されるようになり(参照)、これにより File Delete モジュールが不要になりました。どのサイトでも共通して利用されるような機能はコアに取り込むといった動きが増えてきているように感じます。

CKEditor 5 に Show Blocks 機能が追加

https://www.drupal.org/node/3388811

CKEditor 4 にあった HTML タグを表示する Show Blocks 機能が、CKEditor 5 にも搭載されました。 Show blocks ボタンを有効化すると、エディタ内で HTML タグを表示できるようになります。

image.png (78.5 kB)

エディタ内のコンテンツが長くなるようなサイトでは便利な機能のため、アップデート時にボタンの追加を推奨します。

Token に node:published_status が追加

https://www.drupal.org/node/3372184

これまで無かったのかという感じですが、ノードの掲載状態を表す Token が追加されました。 例えばコンテンツ更新時にメール通知するようなモジュールで、「掲載」「非掲載」のような文字列を件名や文面に埋め込む等の使い方が想定されます。

権限設定ページに検索フォームが追加

https://www.drupal.org/node/3385147

権限設定ページに検索フォームが追加されました。 image.png (147.5 kB)

これはかなり期待していたのですが、検証時点では翻訳された権限名には対応しておらず、英名で入力しても検索できるものとそうでないものがありました。 現時点では使えるとは言い難く、権限が増えてきて見づらい場合にはちょうど Drupal 10 対応された Filter Permissions モジュールをオススメします。

ログインフォームから説明文が削除された

https://www.drupal.org/node/3377041

/user/login の「[site:name]でのユーザー名を入力してください。」等の説明文が取り除かれました。 昨今ではユーザー名 + パスワードでのログインフォームは十分浸透しており、フォームのラベルのみでユーザーへは伝わるため不要という判断のようです。

Announcements Feed モジュールが Experimental からコアモジュールに

https://www.drupal.org/node/3399817

Announcements Feeds モジュールが Experimental からコアモジュールに昇格しました。 モジュールをインストールすると管理バー右上にボタンが追加され、Drupal コミュニティからの新機能や重要な情報が通知されます。

image.png (197.6 kB)

検証時点ではそこまで有益な情報があるとは言い難く、今後の発信が期待されます。

Tour モジュールが標準インストールプロファイルから削除

https://www.drupal.org/node/3376405

Drupal 11 のイニシアチブとしてコアモジュールのスリム化が掲げられており、その一環として Tour モジュールが標準インストールプロファイルから取り除かれました。 Tour モジュールは Drupal 11 ではコアモジュールから取り除かれる予定とのことです。

ブロック表示条件に HTTP ステータスコードが追加

https://www.drupal.org/node/3335460

ブロックを表示する条件に HTTP ステータスコードが追加されました。200, 403, 404 に対応しています。 image.png (272.4 kB)

ブロックのみで 403, 404 ページを設定したり、エラーページに共通のサイト内検索ブロックを配置する等の利用方法が想定されます。

access administration pages からいくつかの権限が細分化された

https://www.drupal.org/node/3357478

権限の再構築はこれまで access administration pages が司っていましたが、10.2 以降は administer nodes 権限が必要となりました。

https://www.drupal.org/node/3344060

access help pages の権限が追加され、access administration pages と分離して設定が可能になりました。

10.1 では administer blocks 権限が細分化された例もあり、範囲が広い権限や曖昧な権限を見直す動きが進んでいます。

まとめ

今回は非エンジニア視点で Drupal マイナーバージョンの変更点をピックアップしてみました。 メジャーバージョンでなくとも細かな機能追加や改善が進んでいることが分かり、長期的に追っていくことで Drupal が目指している方向性も見えてきます。 日々 Change records を追う作業は結構楽しく、RSS でも配信されているので是非一度目を通してみてください。


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