こんにちは、森山です。 今日はちょっと堅めの内容になりますが、先日スマートフォンサイトの普及率について調べる機会がありましたので、ついでにこちらのブログでもご紹介しておきたいと思います。

私が主に参考にしていたのは総務省から発表されている「情報通信白書 平成26年版」の中の「ICT(情報通信技術)の進化によるライフスタイル・ワークスタイルの変化」です。 「ICT」というのはあまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、「IT」とほぼ同義語です。「Information and Communication Technology」の略で、情報処理や情報通信など(コンピュータやネットワークに関連する諸分野)における技術・産業・設備・サービスなどの総称のことをいいます。2000年代半ば頃から「IT」に替わる語として、主に総務省をはじめとする行政機関および公共事業などで用いられるようになったそうで、実は海外ではITよりもICTの方が一般的なんだそうです。

また、総務省の「情報通信白書」とは、情報通信の分野における産業の現況や政策の動向などを取りまとめて総務省が年次で刊行している文書です。情報通信白書のほかにも、地方財政白書、消防白書、とかいろいろあるみたいです。気になる方は一度覗いてみてください。

参考: 総務省 白書

今回はこちらの総務省のデータの他、私が興味深いと感じたスマートフォン等に関するデータをいくつか取り上げてみます。

端末ごとの世帯普及率

まず最初にご紹介させていただくのは、端末ごとの世帯普及率です。 (図1)
携帯/PHSとパソコンはここ数年は横ばい傾向ですが、一方で、スマートフォンとタブレット型端末は増加の一途をたどっているのが見てとれます。 スマートフォンはここ数年で爆発的に普及したことがよくわかります。タブレットは、スマートフォンの増加率よりはゆるやかではあるものの、着実に普及を続けています。

主な情報通信機器の世帯保有状況
図1)主な情報通信機器の世帯保有状況(平成20~25年)

出典:総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究

日本におけるスマートフォン普及率と今後の予測

次に、日本における今後のスマホ普及率の予測データを見てみましょう。 (図2)
こちらは少し古いデータのようで申し訳ないですが、日本における携帯電話契約数全体に占めるスマートフォンの割合を示しています。2013年12月時点で47%、つまり約半数となっています。つまり携帯電話の契約の約半分がスマートフォンということですね。2014年以降は予測として書かれており、約半数だったスマートフォンの契約率が2019年3月末には7割強まで普及すると見られています。

スマートフォンの契約数の推移・予測
図2)スマートフォンの契約数の推移・予測

世界におけるスマートフォンの出荷台数推移

スマートフォンが拡大を続けているのは日本だけの話ではありません。スマートフォンの世界出荷台数をみてみると、2011年から2013年にかけて倍増しています。2013年はスマートフォンの世界出荷台数は前年比38%増!携帯電話全体に占めるスマートフォンの割合が初めて5割を超えました。日本でも、世界でも、携帯電話の主軸がスマートフォンに移ってきているのが分かりますね(図3)。

スマートフォンの世界出荷台数推移
図3)スマートフォンの世界出荷台数推移

出典:総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」(2014年3月調査)

世界におけるタブレットとパソコンの出荷台数比較

さらにタブレット型端末についてのデータも見てみましょう。
日本でも普及しつつあるタブレット端末。街中でも使っている方を普通に見かけるようになりましたね。2013年の世界出荷台数は2.17億台と前年から1.5倍に増加。PC出荷台数との差が縮まってきています(図4)。こちらのデータは2012年と2013年のデータなので、現在の出荷台数の差がどの程度なのか大変気になりますね。もしかしたらタブレット出荷台数がPC出荷台数を抜いているかも・・?また最新のデータを見つけたらご報告したいと思います。

世界タブレット出荷とパソコン出荷の比較
図4)世界タブレット出荷とパソコン出荷の比較

出典:総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究

国別のスマートフォン / タブレット 個人保有率の比較

こちらは国ごとにスマートフォン及びタブレットの個人保有率を示したグラフです。
日本は諸外国に比べると保有率が低いことが見て取れますが、それでもスマートフォンにおいては半数以上の方が持っているという結果となっています。世界全体でこれらの端末の保有率が増加傾向にありますので、日本においても今後さらなる増加が見込まれています。それに伴いWebサイトもレスポンシブWebデザイン等によるマルチデバイス対応率が連動して増加することが予想されます。

出典:総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究

国別スマートフォン個人保有率

国別スマートフォン個人保有率

国別タブレット個人保有率

国別タブレット個人保有率

出典:総務省「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」(2014年3月調査)

世界各国企業のスマートフォン / レスポンシブWebデザイン 対応率

では、現状の企業のスマホサイト対応率はどうなっているのでしょうか。
こちらのデータを見てみると、日本は諸外国に比べてマルチデバイス対応が遅れているのがわかります。特に注目すべきは、スマートフォン専用サイトの割合は諸外国と大差はありませんが、レスポンシブWebデザインに対応している企業の割合が圧倒的に少ない・・・というところでしょうか。
日本企業のレスポンシブWebデザインへの対応が遅れているのは前述のデータからもわかるようにタブレットの普及率がまだまだ諸外国に比べて低いということの他、日本では情報量の多い複雑なWebデザインが好まれるという独自の傾向があるというのも原因のひとつなのかなと思います。
一方で最近のWebデザインの流行を見ていると国内でもシンプルでフラットなデザインが支持され始めておりますし、またこのグラフに表れている日本のレスポンシブWebデザイン対応企業の割合は、1年前の世界主要企業の水準とほぼ同じとのことなので、今後、日本も他国同様にレスポンシブデザインに対応する企業の割合が増加することが予想されています。

世界主要企業サイトマルチデバイス対応状況
図7)世界主要企業サイトマルチデバイス対応状況(2014年11月)

出典:Atlas21「 国内主要企業サイトのマルチデバイス対応率、スマートフォン・タブレット個人保有率ともに諸外国を下回る」(2014年11月調査)

最後に

いくつかのデータをご紹介させていただきましたが参考になりましたでしょうか。 こうして見てみると、日本におけるスマートフォンやタブレットの普及率やWebサイトの対応率は諸外国に比べるとまだまだ遅れをとっていることがよく分かりました。
ただ世界全体の動きとして見ると、やはりスマートフォンやタブレットの普及率は増加傾向にありますし、今後日本においてもさらなる普及が見込めそうです。

スタジオ・ウミでもこういった世の中の動きにアンテナを張りつつ、柔軟にご対応できるようにしていきたいと思います。今後はレスポンシブWebデザインにもさらに力を入れていく予定です。様々な状況下でWebサイトが閲覧されることを想定したうえで出来る限り高い成果を発揮するために、技術力とアイデアでお客様のご期待に応えられるよう頑張ります。


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