Drush 9 からカスタムのDrushコマンドの追加は.incファイルではなく、クラスによって追加されるようになりました。 Drupal 8.4.x 以上のバージョンでは、Drush 9.xだけをサポートしているので、カスタムDrushコマンドの追加方法は把握しておくべきと言えるでしょう。

カスタムDrushコマンドは作成するには、カスタムモジュールディレクトリにdrush9_exampleファルダを作成後、次の4つのファイルを作成しましょう。

  1. drush9_example.info.yml
name: Drush 9 Commands Example
description: Provides examples for writing custom Drush 9 commands.
core: 8.x
type: module
package: Examples
  1. drush.services.yml
services:
  drush9_example.commands:
    class: \Drupal\drush9_example\Commands\Drush9ExampleCommands
    tags:
      - { name: drush.command }

モジュールの場合、通常はservices.ymlを使用しますが、カスタムDrushコマンドの場合、drush.services.ymlを使用します。 もしservices.ymlを使用すると、エラーが発生します。

Fatal error: Class 'Drush\Commands\DrushCommands' not found in Drush9ExampleCommands
  1. composer.json ファイルを作成したモジュールディレクトリルートにjsonファイルを作成し、コマンドを定義しましょう。
{
  "name": "drupal/drush9_example",
  "description": "A example module for Drush 9 commands.",
  "type": "drupal-module",
  "autoload": {
    "psr-4": {
      "Drupal\\drush9_example\\": "src/"
    }
  },
  "extra": {
    "drush": {
      "services": {
        "drush.services.yml": "^9"
      }
    }
  }
}

drush.services.ymlは正しく動作させるために、composer.json内で宣言されている必要があります。 Drushのバージョン毎に、複数のdrush.services.ymlを宣言することも可能です。

Drush 9 でcomposer.jsonに明示的にサービスファイルを定義することは、必須ではありません。もしファイルが定義されていなければ、デフォルトのdrush.services.ymlが呼び出されます。 しかしDrush 10 以降ではcomposer.json内に定義されていることが必須になりましたので、Drush 9 でも宣言しておくことをオススメします。

  1. Drush9ExampleCommands.php モジュールディレクトリにsrcフォルダを作成し、その中にファイルを作成してください。
<?php

namespace Drupal\drush9_example\Commands;

use Drush\Commands\DrushCommands;

/**
 * A Drush commandfile.
 *
 * In addition to this file, you need a drush.services.yml
 * in root of your module, and a composer.json file that provides the name
 * of the services file to use.
 */
class Drush9ExampleCommands extends DrushCommands {
  /**
   * Echos back hello with the argument provided.
   *
   * @param string $name
   *   Argument provided to the drush command.
   *
   * @command drush9_example:hello
   * @aliases d9-hello
   * @options arr An option that takes multiple values.
   * @options msg Whether or not an extra message should be displayed to the user.
   * @usage drush9_example:hello akanksha --msg
   *   Display 'Hello Akanksha!' and a message.
   */
  public function hello($name, $options = ['msg' => FALSE]) {
    if ($options['msg']) {
      $this->output()->writeln('Hello ' . $name . '! This is your first Drush 9 command.');
    }
    else {
      $this->output()->writeln('Hello ' . $name . '!');
    }
  }

}

使用されているアノテーションの使い方を見ていきましょう。

  • @command: コマンドを定義します
  • @aliases: コマンドのエイリアス
  • @param: コマンドのパラメータ数を定義します
  • @option: コマンドで使用可能なオプションを定義します
  • @default: オプションのデフォルト値を定義します
  • @usage: コマンドの使い方のサンプルを定義します
  • @hook: 呼び出されるhookを定義します。使用出来るhookはリンク先に記載されているので、参照してください。 https://github.com/consolidation/annotated-command

設定は以上になります。 shell= drush en -y drush9_example drush cr と実行し、カスタムコマンドが実行できることを確認してみましょう。 説明は以上になります。ありがとうございました。


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